2023年のドル円相場の展望とアメリカ経済とインフレの行方は?

六爻占術
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2023年のドル円の為替相場はどうなるのか?

市場のセンチメントは、アメリカ経済の景気後退(リセッション)を先取りして、ドル売りに傾きつつある。2022年のドルの独歩高から一転して、2023年はドル売りに転換するのか?ダウ平均株価のチャートは、2008年のリーマンショックのときとよく似てきている。

今のドル円相場は、日米の10年物国債の金利差と連動しているといっていい。市場はすでに、2023年はアメリカのインフレが収まり、10年物国債の金利上昇のピークは、4.75~5%程度と織り込んでいる。2022年の年末は、日本の10年物国債の金利が、市場の予想に反して、実質0.5%に引き上げられ円高に進んだが、2023年も日銀の金融緩和は継続するとみられている。

結局のところ、2023年のドル円相場は、アメリカ経済の動向にかかっている。

なぜなら、2022年に急激な金利上昇で失速したアメリカ経済が、リーマンショックのような大暴落になれば、アメリカ連邦制度理事会(FRB)はインフレ抑制のために引き上げた金利を、今度は引き下げざるをえなくなるからだ。

2023年のドル円の為替相場は、ウクライナ問題が解決してインフレが終息するかどうか、アメリカ経済に、明るい兆しが見えるかどうかにかかっていると私は考えている。

2023年のドル円相場は、ドル売り(円高)と予想するエコノミストが多い!

2023年のドル円相場に関して、証券会社のレポートや経済評論家の予想は、1ドル120円~150円が多い。2022年10月に付けた高値の151円70銭を更新しないと見ているようだ。

2022年のアメリカの急激な利上げのペースが、2023年は一段落して、市場が金利のピークを相場に織り込んでいると予想しているからだろう。

2022年3月から始まったドル買い(円安)、その時のレートは1ドル114.50、2022年10月の高値が1ドル151.70、半値戻しが133.50で1月初めの相場はこの付近にある。相場の下落のスピードは上昇の3倍と言われているが、3月から7ヶ月かけてドル買いで上がった相場が、3ヶ月で半値以上戻したことになる。

2023年のドル円相場の予想、120円~150円の中心値のは、135円。

要するに、専門家は2023年はレンジ相場になるという予想。なかには、ドル売りという表現をしている方もいるが、151円を越えたドル買いはないという意味だろう。

2023年は、本当に151円を越えてのドル買い相場にはならないのだろうか?

アメリカ経済の動向、つまりは、インフレ(消費者物価指数)が下がるかどうかで、2023年のシナリオは変わってくる。ウクライナ問題が長引き、原油や穀物などの高騰が続き、さらに供給が滞れば、インフレは高止まりしたまま下がらない。インフレを抑えるためには、経済を犠牲にしてでも高い金利をキープしたまま、需要を抑えるしか手はない。

1946年~1948年に起こった、第二次世界大戦後のインフレは、戦後の急激な需要増大によって供給不足になったため物価が上昇したものだった。FRBは金利を上げることによって需要を減らし需要と供給の均衡をはかるのに3年かかった。

しかし、今回のインフレは資源高と供給不足によるもの、金利を上げて需要を減らしても供給サイドの不足が解消されなければ、インフレは下がらないのではないか?

FRBの利下げは2024年からとみられている。金利を上げてもインフレを下げるのには時間がかかるので、2023年はアメリカの金利が高止まりしたまま、アメリカ経済がさらに失速するのではないか?

そうなれば、スタグフレーションである。

2023年は日米の金利差が縮小しなければ、円より通貨の力が強いドルの方が、徐々に買われる可能性もあると考えている。

日本の国内では、原油や天然ガス、穀類などの資源高でドル需要は多い。つまり、ドル買いがさかんであるということも、151円を越えてドルが買われる余地はあると思っている。

2023年のアメリカ経済は2008年のリーマンショックに似ているのか?

アメリカのダウ平均株価は、2022年10月から年末までに20%も下落しいる。この下落のが2008年のリーマンショックの時に似ている。2008年の時はさらに下げて、高値から37%まで下落している。

市場はダウ平均株価が1月~3月で反発して上昇に転じなければ、リーマンショックの時のようにさらに下落するとみて、2023年1月~3月の株式市場は様子見モードの相場になるのではないか?

アメリカの株式市場の動きにつられて、ドル円相場も2023年1月~3月の間は、レンジ相場になるのではないかと思う。つまり、投機筋が売ったり買ったりする行って来いの相場だ。

リーマンショックの時は、アメリカも日本も、金融緩和をしてマネーをじゃぶじゃぶに市場に供給して、経済を回復させている。ダウ平均株価のチャートの形は似ていても、2008年と2023年とでは状況がまったく違っている。

資源高によるインフレで経済状況が似ているのは、1973年の第一次オイルショックではないか。オイルショックの時は、石油の値段が4倍に跳ね上がった。石油の決済はドルで行われるため、世界中でドル需要が高まり、1973年3月に1ドル254円台だった円は、1975年12月には306円台まで円安が進んだ。

2023年は、ウクライナ問題が長引き資源高が続けは、ドル需要の高まりによって徐々に円安になっていく可能性もある。ただ、コロナ禍による中国経済の減速が懸念されていて、中国の景気減速が明らかになれば、世界の資源需要が減り資源高が抑制されることも考えられる。

2023年はウクライナ問題とコロナ禍が終息するかにかかっている

さて、様々な角度から2023年にドル円相場を考えてみたが、素人の私には荷が重すぎたようだ。ただ、私は、為替相場の動向は、市場のセンチメント(参加者の気分)に大きく左右されると考えている。

2023年は、アメリカ経済の減速がさらに続くようなら、ドル売りで円高になると思う。しかし、経済を犠牲にしてでもFRBがインフレ対策で金利を上げるなら、日米の金利差からドル買いで円安になる。

2023年以降は、やはり、ドル高円安になるのではないか?

2022年、投資家のウォーレン・バフェット氏率いる米投資会社バークシャー・ハサウェイは、円建て社債を発行して、日本の5大商社の株(伊藤忠商事、丸紅、三井物産、住友商事、三菱商事)を買い増ししたというニュースを聞いた。ウォーレン・バフェット氏は、2019年から日本の大手商社の株を買っており、総額は1兆円にもなる。

私は、ウォーレン・バフェット氏が、一時的な円高はあっても、長期的には円安傾向にあると分析しているのではないかと思っている。

日銀破綻論の藤巻氏は、1ドル500円の超円高になってもおかしくないと言っている。日銀がインフレ対策で金利を上げれば国債の利払い費が増え、日銀のバランスシートが債務超過になって、円の信用が失墜して円が売られると主張している。

私は、その可能性はあると思っている。でも、2023年には起こらない。その理由は、もし、日銀が金利を上げて債務超過に陥ったとしても、日本政府が公的資金を注入して増資すればしのげる。増強の方法はまだ他にもまだある。それで、一時的にでも債務超過回避できるので、それほど問題にはならない。おそらくその時は、増税とセットになると思うが・・・。

MMT論者は、円建て国債は絶対に破綻しないと主張している。岸田首相の防衛費GDP2%も国債で賄えばいいと言っている。

円建てだから問題ないといっても、財政が国債発行に頼っていればマーケットはどう判断するか?世界の主要メディアが日本国債の懸念を伝えただけで、円は暴落するかも知れない。イギリスは、トラス首相が減税を発表しただけで、ポンドが売られて国債が暴落した。

最後になってしまったが、六爻占術の占いの結果は、

1ドルが150円を超えるかどうか占ってみたが、私の判断では、150円を超えるが160円は無理ではないかと判断した。

おそらく、150円台で財務省の介入が再度行われるのだと思う。

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